No.437 / 2026.05.25

TOPICS / zakka 視線を逃がすための静かな余白。モノクロームのランドスケープが広がる作品集

この装丁のような「静かな余白」の本もいいね。これ本棚にしまうのではなく、机や棚の上に何気なくポンと置いておきたくなる本です。

ドイツの画家シルケ・オットー・ナップと、オーストリアの美術家フロリアン・プムフースルによる共同作品集『RATIO OF DISTANCE(距離の比率)』。真っ白な表紙にタイポグラフィだけが配置された、無駄のないデザインだ。

ページをめくると、淡いモノクロームで描かれた海や島の風景が現れる。
具体的な場所を特定させない、静かで落ち着いた景色が広がっている。

巻末には「島という圏外」と題された日本語のテキストも収録。
ガラパゴス島やユートピア構想といった切り口から「島」について綴られており、ビジュアルだけでなく読み物としても楽しめる。

分厚い美術書のように、気合を入れて読むような本ではない。
ふとした時にパラパラと適当なページをめくって眺める、それくらい気軽な楽しみ方がよく似合う一冊だ。