No.405 / 2026.04.08
TOPICS / zakka 使う人を選ぶ非対称なグリップ。巨匠の名前を冠したチープなプラスチックペン

海外のホテルや銀行の窓口に無造作に転がっていそうな、チープなプラスチックのボールペン。高級感なんて微塵もありませんが、この異様にうねったボディの形状にピンとくる道具好きは多いはずです。
コラーニペン リサイクル
990yen

クリップ部分のロゴが示す通り、自然界の曲線をモチーフにした「バイオデザイン」で一世を風靡した巨匠、ルイジ・コラーニの手によるもの。
世界的なデザイナーのプロダクトでありながら、素材はざらっとしたリサイクルプラスチックです。徹底して安価な量産品として作られているこの極端なアンバランスさに、バイヤーとしての妙な所有欲を掻き立てられます。

人間工学(エルゴノミクス)の先駆けと言われる美しいカーブですが、実際に握ってみると、これが驚くほど指の形を制限してきます。
非対称にえぐられたグリップは「正しい持ち方」以外を一切許容してくれません。自分の持ち方に少しでも癖がある人が握ると、指がうまく収まらずに強烈な違和感に襲われます。道具のくせに、使う側に対して「必ずこう持て」と強引に型を押し付けてくる。日常づかいの文具としては致命的な不自由さですが、この極端なエゴの強さこそがコラーニデザインの神髄でもあります。

ボディをひねって中を開けると、拍子抜けするほど簡素なバネと細い芯が入っているだけ。外側の過剰で有機的なフォルムに対して、中身はただの安価な工業的パーツです。
純粋な書き味や作業効率だけを求めるなら、迷わず最新の国産ゲルインクボールペンを買うのが正解です。これはあくまで「使う人間を制限する巨匠のデザインを、100円ライターのようなチープな素材感で所有する」という、プロダクトとしてのひねくれた面白さを買うための道具です。
コラーニペン リサイクル
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