No.329 / 2025.11.07

TOPICS / zakka ジャケットの佇まいで選びたくなる、フランスのバターサブレ。

ラ・メール・プラールのサブレは、まず箱がいい。
フランスの赤。古い観光絵はがきみたいなイラスト。
棚にひとつ置くだけで、空気が少し変わる。

味は素直で、ちゃんとバターが香る。
国産メーカーのサブレはどれも優秀だけれど、この“濃さと軽さの同居”はフランス菓子らしい。
紅茶を淹れると、この箱がだいたい画になる。

一枚つまむと、1888の刻印が目に入る。
これがブランドの歴史そのもの。
「お菓子に年号が入っている」というだけで、ちょっと嬉しくなる。

噛むとザクッとして、あとからバターの甘さがふっとくる。
シンプルなのに、飽きない。
お茶の時間を作りたいとき、手を伸ばすのはいつもこういう“無理していないもの”だと思っている。

個包装がまたちょうどいい。
数枚だけ持ち運べるし、ちょっと人に渡すときの気軽さもある。
赤いロゴが続く感じもいい。

味に派手さはない。
でも、続けて食べるとよくわかる。
生地の香りと焼きの具合だけで勝負しているサブレは、案外少ない。

箱のデザインは、遠目でも存在感がある。
パリでも地方でもこういう“観光名所と赤の組み合わせ”の菓子はよく見るけれど、
プラールの箱は色の抜け方がよくて、安っぽくならない。

パッケージ買いしたいとき、こういう“古さの残し方がうまい箱”は強い。
置くだけで絵になるから、ついまた買ってしまう。

裏面の文章を読むと、このお菓子の背景が一気にわかる。
モン・サン=ミシェルの老舗レストランをルーツに、
“子どもに配る幸運のお菓子”としてつくられたもの。

歴史と物語があって、味もちゃんとしている。
スーパーで買えるサブレがたくさんある中で、
この箱を選ぶ意味は、そこにある。