No.323 / 2025.10.24
TOPICS / zakka ふだん使っているモノの“背景”が気になってくる本

普段は何気なく使っているモノでも、まとめて眺めると、
ちゃんとその時代の役割を持っていたんだな、という感じがするんですよね。
ブランド物や家電、車、スニーカー。
単体ではただの消費財なんだけど、背景まで見えてくると、
“その頃らしさ”が意外とくっきり出てくるわけです。
『Object-Oriented Identity』は、そういう最近の暮らしを象徴する持ちものを、
カタログ式に淡々と並べた一冊でして。
大げさじゃないのに、
「ああ、この空気の中で過ごしてきたな」と素直に思えるんですよ。
OBJECT-ORIENTED IDENTITY: CULTURAL BELONGINGS FROM OUR RECENT PAST by Zsofia Kollar
6050yen

このページなんか、時代の混ざり方がよく出ていますよね。
ハイブランドのクマの隣に、車の芳香剤。
スニーカーもあればガジェットもあって、全部が同じ扱い。
価値の高低がごちゃっと一列に並ぶと、
値段より“時代の癖”のほうがはっきりしてくる。
そういう見え方が面白いんですよ。
モノが文化の座標をつくっているって、こういうことなんでしょうね。


アイテムごとに背景を軽く拾っていく構成になっていて。
スニーカーならストリート、
ペットなら家族観、
ブランド物なら象徴性、といった具合です。
説明は控えめなんですが、
そのぶん人とモノの関係がすっと入ってくる感じがあるんですよね。


見慣れたモノも、こうして距離を置いて見ると、
自分たちが時代の影響を受けながら選んできたんだな、と落ち着いてわかる。
派手さはないんですけど、視点はなかなか鋭い。
「何を選んできたのか」「その理由はどこから来ているのか」
そんなことを静かに考えさせるような本なんですよ。
モノを見ているようで、結局は“人の変化”を追っている一冊なんでしょうね。
OBJECT-ORIENTED IDENTITY: CULTURAL BELONGINGS FROM OUR RECENT PAST by Zsofia Kollar
6050yen
