No.271 / 2025.07.22
TOPICS / zakka 名作椅子の裏にある、スケッチと日常

アルネ・ヤコブセン。
デンマークを代表するデザイナーであり建築家。この本を手に取ってみると「やっぱりすごい人だな」と改めて思わされました。

セブンチェアやアントチェア。もう暮らしの定番みたいに当たり前に存在している椅子たちですが、ページをめくると改めてその背景にある思想や実験の積み重ねが見えてきます。
僕自身、店で椅子を扱うわけではないけれど、「工業製品がどうやって生活の景色になっていくのか」という視点ではすごく共感しました。
水彩で描かれた植物や風景のスケッチ。これがまたいい。
名作椅子を生み出した人が、こういう柔らかい線を描いていたと思うと、デザインって“仕事”じゃなくて“生き方”なんだと感じさせられます。

たとえば、アントチェアが数百脚ずらっと並んでいる写真。
もう“家具”じゃなくて“風景”なんですよね。
プロダクトを超えて「場の空気」をつくる存在感。これって僕が好きな工業品の魅力と同じで、機能美の延長線上に文化が生まれている感じがします。

この本は作品だけじゃなくて、ヤコブセン自身のスケッチやプライベートな写真も多いんです。
完璧なモダニズムの巨匠というイメージの裏で、意外と人間臭い部分も見えてきて、そこに妙に親近感を覚えました。
「デザインの人」って、結局は日常の観察を丁寧にしているんだな、と。

デンマークデザインの教科書というより、「モノをつくる人間のリアル」 を覗ける一冊です。
ふとしたときに読み返したくなる本です。
資料的価値もある何代も先へずーと語り継げる本ですね。
DESIGNING DENMARK by Arne Jacobsen
14300yen
