No.245 / 2025.05.15

TOPICS / zakka 再生された布がくれる、生地の味わいと新しい役割

工場の片隅で、かつては機械を覆っていた厚手の布。
その役目を終えた素材に、再び命を与える――これが PUEBCO(プエブコ) の「VINTAGE MACHINE COVER FABRIC CUSHION」です。

新品の生地には出せない“落ち着き”と“風格”が、ここには宿っています。

抱え込むとわかる、この安心感。
重さではなく、生地そのものの“存在感”が身体に伝わってきます。
無骨でありながら、不思議と柔らかい。かつて機械を守っていた布が、今は人の生活を包み込む――そう考えると、なんだか愛おしくなります。

色は深いオリーブ。軍物のテントクロスやフィールドジャケットを思わせる渋さです。
ひとつひとつ、ステッチの表情が異なり、糸のほつれさえもデザインの一部のように見える。工業的な布地が“生活に馴染む道具”へと転じる瞬間です。

小さなタグに刻まれた PUEBCO の文字。
PUEBCOの仕事は、無名の素材を“語れるもの”へと昇華させること。
規格外の布や捨てられるはずだったものを、新たな価値へ変えていく。タグはその証のように静かに佇んでいます。

インナーは取り外し可能。使い勝手をきちんと考えているところに、PUEBCOの「道具としての誠実さ」が感じられます。
ただのリユースではなく、暮らしの中で“道具”として機能すること。これがあるから、彼らのプロダクトは単なる古布使いでは終わらないのです。

白いインナーとのコントラストで、カバーの色合いがより際立ちます。
ラフな縫い目も、少し無骨なジッパーも、日常の道具としての確かさを物語る。
どこかで見てきたはずなのに、家庭用のクッションとはまったく違う表情をしている。そこが、このアイテムの唯一無二の魅力です。

新品なら“欠点”とされるはずの糸の乱れ。
けれどこのクッションにとっては、それが歴史の証であり個性です。
自分は長年、軍用や工業製品に宿る機能美に惹かれてきましたが、このクッションはその延長線上にある。完璧ではないことが、美しい――そう感じさせてくれる道具です。

さすがPUEBCO!