No.283 / 2025.08.15
TOPICS / zakka 少ないデザインで、より豊かに。ディーター・ラムスという存在

ディーター・ラムス。20世紀を代表するプロダクトデザイナーであり、BRAUNやVITSŒで数多くの名作を手がけました。本書『As Little Design as Possible』は、彼の仕事と思想をまとめた決定版モノグラフ。表紙からすでに、余白と静けさが伝わってきます。
この本を手にしたとき、改めて“自分は無駄のないものが好きなんだな”と実感しました。仕入れの際も、自然と“余計なものがないか”に目がいきますし、その視点はセレクト全体の大きな比重を占めています。

誌面に広がるのは、BRAUNを象徴するプロダクトの数々。
時計やオーディオ、家電…どれもシンプルで、余計な装飾がなく、それでいて美しい。
「Less, but better(より少なく、しかしより良く)」という言葉が形になったものばかりです。

写真だけではありません。設計図やスケッチ、アーカイブ資料が多数収録されているのもこの本の大きな魅力。プロダクトが生まれる“プロセス”に触れることで、ラムスの思想がより具体的に感じられます。


「良いデザインの十か条」も掲載。
半世紀以上前に掲げられた指針は、今の暮らしにも通じる普遍性があります。
本を閉じたとき、デザインとは特別なものではなく、暮らしを支える姿勢なのだと気づかされます。

単なるデザイン写真集ではなく、思想と実践の記録。
美しいプロダクトを眺めると同時に、「どんな生活を望むのか?」という問いを静かに投げかけてくれる一冊です。
DUPON35は、生活の中に長く残る道具を選んできました。
この本は、モノそのものではなく「どう選ぶか」という姿勢を教えてくれる存在です。
暮らしを見つめ直したい人にこそ、手に取ってほしいと思います。
DIETER RAMS: AS LITTLE DESIGN AS POSSIBLE by Dieter Rams
17600yen
