No.266 / 2025.07.12

TOPICS / zakka ガラスに刻まれた、顔。記憶。衝動。

作者Erik Höglund(エリック・ホグルンド)は、スウェーデンのガラスデザイナー。1950年代から70年代にかけて、Kosta Bodaの前身「BODA社」で活躍していた人です。北欧モダンがガラスに透明感と整然を求めていた時代に、真逆を突き進んだ人でした。泡立つガラス、刻まれた顔、歪なフォルム。それらはすべて、彼が“人間の熱”をガラスに吹き込んだ証です。1950年代、スウェーデンの名門BODA社で若きホグルンドが手がけたのは、当時の北欧ガラス界の常識を覆す作品たち。あえて気泡を残し、あえてラフに刻み、あえて既成の「美」を無視する。そこには、彫刻や絵画から来た彼ならではの自由さと、幼子のような衝動がありました。

中でも有名なのがこの「Peopleシリーズ」。シンプルなデカンタの中央に、ぽつりと顔。これがただの人形の顔ではなく、見るたびに違う感情を投げかけてくる、不思議な“顔”。これがホグルンド作品の魅力のひとつです。見ているこちらの心持ちを映し出す鏡のようでもあります。

北欧ヴィンテージの中でも、コレクター人気が高いシリーズです。国内ではなかなか見かけないものばかりですが、今回運良く少量だけ買い付けることができました。

「飾るためのオブジェじゃなく、日常に紛れ込ませたくなるアート」
北欧デザインというと整ったミニマルさを想像される方も多いかもしれません。でもホグルンドのガラスは、もっと自由で野性味がある。なのに、ちゃんと詩的でもある。不思議なバランスです。