No.061 / 2022.06.17

TOPICS / goods 「Light Bulb」からひも解く、謎多きフランスの芸術家兼、生物学者

「Light Bulb」は1970年代にPierre Giraudonが製作した作品の一つ。
斬新なアイディアで、現代から見ても新鮮なアート作品ですが、
作者のPierre Giraudonは生涯目立つことを好まず、素性が明かされていないフランスの芸術家兼、生物学者です。
分かっているのは、1940年代にカナダで生物学者を勤めていたときに、
学術の研究で植物や昆虫などを樹脂の中に埋め込んだことから後の作品を発明したと言われています。
1949年にはフランスにもどり、芸術的な要素を取り込んだ作品の製作を開始。
60年以降は樹脂を使用したランプベースやオブジェなどの芸術性が高い作品を製作し、徐々に高い評価と知名度を獲得します。
Giraudonは現代アート作者の仲間入りとなりますが、
作品はあくまで学術研究から生まれた延長であり、生物学者として生きていた彼は常に芸術家(アーティスト)と呼ばれることを好まず、表に出ることもあまりしなかったようです。


 

 

斬新な発想

透明な樹脂の中に閉じ込められた電球のオブジェは、まるで浮いているかのよう。
電球の中には蓄光体が含まれており、中光にあてておくと優しく発光する仕掛けです。
見る角度によって発光している蓄光体の形状は変化しているよう錯覚し、ひとつのも分離しているようにも見えます。
実際のライトのように明るく、照明の代わりになるほどではありませんが、日が落ちた時に優しく光を灯す浮遊感ある「Light Bulb」は幻想的。
電球をオブジェに見立て、電気の代わりに蓄光を使用することはシンプルなアイディアのように思えますが、ありそうでなかった斬新な発想です。
生物学者のGiraudonだからこそ成し得たアート作品とも言えます。


 

 

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