No.064 / 2022.07.07

TOPICS / goods 労働者の知恵と文化が作り上げたアート

アートと言われると作家やアーティストが製作する芸術作品をイメージしますが、
中には地域固有の文化から生まれたフォークアートと呼ばれる芸術があります。
フォークアートには地域社会が共有する美学や伝統、宗教などが反映され、美を求める芸術品とは似て非なる作品です。
職業としてアーティストや作家が手掛けるのではなく、地域で生活する民族や部族、農業や商工業の労働者によって生み出されることが特徴的。
そのため、作品には木材や布、金属など身近で簡単に手に入る素材を使用することが多いです。
そして、中でも人気が高くコレクターが多いのが、ボトルキャップを使用したフィギュア。
このボトルキャップフィギュアはアメリカの農村地域で生まれたとする代表的なフォークアートです。


 

 

Bottle Cap Figures

アメリカンミッドセンチュリーを代表的するフォークアート、ボトルキャップフィギュア。
その生まれは、当時瓶ビールや瓶のサイダーなどが主流だったこともあり、
廃材となったキャップ(王冠)をどうにかできないかと考えたことが始まりと言われています。
そして、偶然にもリサイクルの概念がまだ低い時代ですが、
使用済みのボトルキャップだけでなく工場から余った素材を多く使っており、その作りは無駄を出さない再生利用作品です。
ボトルキャップを何枚も重ね、腕や足を組み上げる斬新なアイディアで見事に人を表し、そのモデルは農村で働く労働者とされています。
手には、まるで荷物や作物を運ぶように大きなトレイを持っており、その姿は作業中を表しているようです。
キャッチーな見た目で可愛らしいフィギュアですが、トレイを持ったデザインは実用性も兼ね備え、
毎日の暮らしに寄り添うように役に立ってくれるのが、ボトルキャップフィギュアです。



 

 

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